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今夜も不思議な印香に火を付け、夢の中の遊郭、夢幻楼を訪れる___。
獅子雄
「自分を指名してくれるのですね。ありがとうございます」
選んだのは、獅子雄くん。どんな相手でも受け入れ、奉仕してくれる男娼だ。
獅子雄
「あなたが望むなら、どんなことでも――。遠慮なく自分を使ってください」
私は受付を済ませ、彼と共に部屋へと向かった。
獅子雄
「今夜はあなたが来てくれるのではと思い、受付で待っていたんです」
獅子雄
「自分は昔から、待つのが得意なので。諦めが悪い……とも言うのかもしれませんが」
扉を開き部屋に入ると、獅子雄くんは私をベッドへと座らせ、目の前で片膝をつく。
獅子雄
「望みはありますか? ……迷うなら3つほど、自分に何か命令をしてみてください」
あなた
「命令、って言われても……どうしよう」
獅子雄
「自分はマッサージが得意です。お疲れではないですか?」
あなた
「疲れてます……! じゃあ1つめの命令は『マッサージをして』で。癒してくれる?」
獅子雄
「ふ……もちろんです。では、横になってください」
俯せになった私の背中に、彼の大きな手のひらが置かれる。
まずは何かを確かめるように背筋を優しくつーっと撫で下ろされた。
あなた
「ん……、くすぐった……い」
獅子雄
「すみません。ではもう少し強くします」
ベッドを軋ませ、彼が私に跨る。頭の後ろから降る美声に、腰のあたりが甘く疼いた。
獅子雄
「しっかり気持ちよくしますので、安心を」
あなた
(……って!? こんなマッサージだなんて、聞いてない!)
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