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眠れない夜。印香に火をつけた私が、香りに誘われ訪れたのは、不思議な夢の中の遊郭、夢幻楼--
その受付には、暗黒色の瞳を輝かせる男娼がいた。
ヘイロン
「あー、珍しい、人の子だ。あは、ねー僕を指名してよ。暇だからいっぱい遊んであげる」
ちょうどいい玩具を見つけた子どものように、ヘイロンくんは、はしゃいだ声を上げている。けれど彼は危険だ。
相手が壊れるまで愛しつくすという男娼に捕まってしまったら、一体どうなってしまうのだろう。
あなた
「私、誰かを指名するつもりはないの。精石のために、今夜ここで働かせてもらえれば……――」
ヘイロン
「つまんないこと言ってないで、こっちこっち」
話も聞かず、ヘイロンくんは私の手を引いて歩きだす。そのまま部屋へと連れ込まれてしまい……
あなた
「ま、待ってヘイロンくん。ヘイロンくんはどうして夢幻楼で働いているの?」
ベッドに押し倒されて慌てた私は、覆いかぶさってくる彼の気を逸らそうと、思いついたことを尋ねてみた。
ヘイロン
「えー? 『迎えに来るまで待ってろ』って言われたからだけど?」
いつものように無邪気なのに、瞳の奥に覗いてはいけない深淵が広がっている気がして、鼓動が跳ねる。
ヘイロン
「でも最近は、君みたいな面白い玩具が来るのを待ってる。……ねー、おしゃべりはもういいよね?」
ヘイロンくんの手が、私の手首をつかんでおさえつける。逃げようとしても、もう身動きは出来なかった。
ヘイロン
「逃げちゃだめー。夢幻楼でしか出来ない楽しいこと、いっぱいシてあげるから」
ヘイロン
「泣いても喚いても無駄。朝まで帰してあげなーい」
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